もし、君のことが好きと言えたなら。
未だ鼻を抑えている私に妖艶な笑みを向けてきた。
「あ.....えと、柵木 梓、です」
沖田君綺麗に整ったの顔を見れず下を向きながら自己紹介してると、
「梓ちゃんまだ鼻、痛む?」
と、私の頬をそっと触って上を向かせる。
すると、必然的に心配そうな表情を浮かべる沖田君と目が合ってしまうのであって...。
「あっ...もっ、大丈夫っ!ですっ...!」
バッ、と沖田君から勢い良く離れる。
その行動に少しびっくりしたのか、沖田君は一瞬だけ目を大きく見開いて。
けど、またいつもの表情に戻っていて、
「そ?なら良かった。じゃーね。」
そう言って、後ろ向きざまにひらひらと私たちに手を振って歩いていった沖田君。