もし、君のことが好きと言えたなら。
「とりあえず、手。掴まって?」
小首を傾げながら、心配そうに私を見下ろす...王子様。
「ちょっ、梓どうしたのっ?...って、あれ?沖田?」
転んでいる私に気づいたこのみちゃんがこちらに駆け寄ってきて、王子様の方を見た。
「あ、この子このみの友達?」
私の手を掴んでそっと立たせてくれながら、このみちゃんと何やら親しそうに話をしている。
「うん、そうだけど...何したの?」
「あっ...ごめん、私の不注意でぶつかっちゃってっ...」
あわあわと説明する私の方を横目でチラッと見下ろすイケメン君がクスッと笑って、
「なんか、すっごいベタなマンガみたいな出会い方だったね?俺、沖田 修那、よろしく。」