I line xx
平日の昼下がり

栄公園の近くのお店ということもあり

お客の大半は

午後の自由を満喫する

主婦たちが多かった

三時から30分の演奏をした

誰もが知っている

ディズニーの曲

特別な日ということで

開放された店の入り口から見える

向かいのビルの店の大きなガラスには

クリスマスの大きなオーナメントが

飾られているのが見えた

演奏をしながらそれに気がつき

もうすぐクリスマスだと思い出した


そう言えば

愛果がクリスマスに東京に

くると言っていたっけ

そう思い出して二曲目を

星に願いをにした

演奏をしながら

愛果と二人で見上げた星空を

思いだした

出逢った頃、一緒に初めて行った食事の

帰り道

愛果を部屋まで送り届ける為

初めて手を繋いだ夜のことだった

あの時の彼女の柔らかな手の感触が

不意に思い出されて

胸をぎゅっとしめつけた

東京にきてからもうすぐ一年になる


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