キスする瞬間。
じっと見てる私の視線に気付き、倉橋がお肉を切る手を止めた。


「どうした?お腹いっぱいか?」


2人してオシャレして美味しい料理を食べて幸せだな~って思ってた。


「ううん。美味しいね、どれも」


お酒があまり強くない倉橋がワインを一口飲んだ。


「結衣。…今まで、ありがとうな」


えっ。何?
もしかして…別れの言葉?


「俺、仕事優先で反省してた。結衣に楽しい事させてあげられなかったし、ごめんな」


「そんな事ないよ」


強めに倉橋の言葉を否定する。


「もしかして、反省の結果が今回の旅行だったの?」


「‥まぁな」


ムクムクと私の意地悪ゴコロがわいてきた。


「じゃあ~。また来年も反省してもらって旅行、連れてってもらおうっ」


「なんだよっ、それ」


顔をくしゃっとさせて倉橋が笑う。
私の好きな顔。
キスしたくなる倉橋の顔。


「孝ちゃん、可愛いっ」


「何っ、言ってんだよっ」


照れ隠しにワインを飲んだ倉橋。
ピンク色になってる頬を触りたかった。

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