御曹司と愛されふたり暮らし
するとハルくんは、突然。


「見せて」

「はい?」

「足のキズ、見せて」

「はい!?」

み、見せてってなに!? そんなこと急に言われても!?


「え、えと、ハルくん!? ほかのお客さんもいるし、足を見せるとか……!」

「別に誰も見てない。いいから見せて」

さっきの私以上に、今度はハルくんがテーブル越しに身を乗り出してくる。


わけがわからなくて、私は思わず仰け反り、


「いや……っ!」

と、小さい悲鳴のような声を出してしまった。


すると、ハルくんも我にかえったようなハッとした表情を見せ、


「ご、ごめん」

と謝って、姿勢をもとに戻した。


ハルくん……?



とりあえず様子が戻った彼にホッとしながらも、私の戸惑いは消えない。

そんな私に、彼は言った。


「……女の子の身体にキズを残すなんて、最低だよな……」


あ……それを気にしてくれていたんだね……。



「あの、ほんとに大丈夫だから。全然大したキズじゃないの。よーく見なきゃわからないくらいのキズ」

「それでも、キズはキズだ。
今さらだけど……せっかくこうして再会できたわけだし、なにか償いをさせてほしい」


……つぐ、ない?
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