御曹司と愛されふたり暮らし
「だけど、花菜を襲おうとしたのは許せない。今ここで、花菜に謝れ」

ハルくんがそう言うと、唯くんは右手の甲で涙をグイッと拭って。


「……ごめん」

と、一瞬だけ目を合わせてそう言ってくれて、その後すぐにそっぽを向いた。


ハルくんは「コラ、もっとちゃんと謝れ」と言うけれど、私はそんな唯くんがなんだかすごくかわいく感じた。まるで、小学生の時の唯くんを見ているみたいだと思った。



きっとこれから、ハルくんと唯くんは、また昔みたいな仲のいい兄弟になれるよね――……?







その後、唯くんはマンションを後にした。

ハルくんのすすめもあり、今日は実家に泊まっていくと言っていた。


「ふぅ、嵐のような時間だったな」

ハルくんが深く息をつきながらソファに腰かけてそう言った。


「でも、良かったよ。ふたりが仲直りして」

私も彼の隣に腰をおろして、そう言った。


「完全に仲直りするには、まだ時間かかりそうだけどな」

「徐々にね」

「ああ。徐々に……なぁ、花菜」

ん?と答えるのと同時に、私は彼にやさしく抱きしめられた。
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