御曹司と愛されふたり暮らし

――このままでは、人としてダメになるかもしれない。

会社のデスクで仕事をしながら、私は真剣にそんなことを思った。


なにひとつ不便のない極上のマンションで、なにひとつ非の打ちどころのない極上の男性と、なにひとつ苦労することのない生活……。


ダメすぎるでしょ!!



ご飯も作らない、食器を洗うことすら阻止される、きっと私が家の掃除をしようとすれば、それすらも止められるだろう。

それに対して、「あーラクだ」なんて思えない。

たとえば私とハルくんが恋人同士もしくは夫婦とかで、たった一日ハルくんが家事のすべてをやってくれる、とかだったら単純に純粋にうれしかったのかもしれないけど。

私とハルくんはただの元同級生だし。
こんな生活が一週間も続くのは困りものだ。



私は。ハルくんとこんな関係になりたいわけじゃない。
ハルくんのやさしさと強引さからこんな同居生活が始まったわけだけど……もっと普通に、小学生時代のあのころみたいに、普通に仲良くできたらって思ってる。


だから、私にもなにかできることないかなってさっきからずっと考えているんだけど……。


すると、制服のスカートのポケットに入れていた携帯が震えた。
デスクの下でこっそりと確認すると、ハルくんからのメッセージが来ていた。


【今日の帰りは二十二時ごろになると思う。先に寝てて。
夕飯は家に帰ってから適当に食べる】


そこにはそう書かれていた。
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