御曹司と愛されふたり暮らし
「ただいま」

夕方、ハルくんが帰ってきた。
いつもよりは早い帰宅だけど、「あー、疲れた」と言っている。
お夕飯の支度、あらかたしておいて良かった。あ、お風呂が先かな?


……でも、その前に。


「ハルくん。今日、お客さん来たよ。多分、ハルくんの言ってたお友だちって人……」

私がそう言うと、彼はリビングでスーツの上着を脱ぎながら、隣にいる私に「え、そうなんだ」とサラッと答えた。


私にとっては結構事件的な出来事だったけど、ハルくんにとっては大したことじゃないのかな。まあ、それならそれでいいけど……。



だけど……。




「花菜?」

スーツをハンガーに掛け終えた彼が、立ち尽くしたままの私の顔を、不思議そうに覗きこむ。

いつの間にか縮まっていたその距離感に少し、いやかなりドキッとしながらも、私は。


「……藤森さんって、ハルくんとどういう関係?」

と、聞いてしまった。


踏み込んじゃいけないエリアがわからない、って朝思ったばかりなのに。
聞きたくて、知りたくて、抑えられなかった。


私の質問に対してハルくんは、

「言っただろ。友だちだよ」

と笑顔で答えるだけだった。
ハルくんがそう言うなら、本当にそれだけなのだろう。そう信じたい。大体、友だちじゃなかったからと言って、私がどうこう言う権利なんてないんだし。


でも、心のざわつきが収まらなくて。私は、なにも答えられずにその場から動けないでいた。



……すると。
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