御曹司と愛されふたり暮らし
藤森さんの思い込みによって、ハルくんは振り回され、相当疲れただろう。

私になにかできることはないかな。


「ハルくん、夕飯は? なにか食べた?」

「食べてない」

「少しだけど、明日の朝用に用意してあるおかずがあるから食べて。朝は別のもの用意するから」

私はそう言って、彼に背を向けてキッチンの方へ向かおうとする。


……けど。

突然、後ろから腕を掴まれ、動きを制される。

振り向けば、ハルくんがソファに座ったまま、私に向かって手を伸ばしていた。


「ハルくん?」

「あ、悪い」

彼はそう言ってすぐに私から手を離した。

どうしたんだろう? なんだかいつもの彼らしくない。

どうかした?と私が聞くと、「……わからない。花菜、やさしいなと思ったら、気づいたら手が伸びてた」と答えられ、よくわからなかった。彼も、よくわかっていなそうだから、気にしないことにした。



とりあえず、お夕飯の支度はやめて、彼の様子がおかしかったので、私は彼の隣に腰をおろした。

すると彼は私を見て、フッとやさしくほほえんでくれたので、私も少し安心したんだけど……。


ギュ……。

「え……っ?」

急に彼に右手を握られて、ドキッとしたし、驚いてしまった。
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