新選組と最強少年剣士
それに、正直、仕事をくれるのは本当に感謝してる。


普通に生活するのは、もう僕には出来ないだろうし。


「仕事…剣壱はまだ子供なんだから、そんなこと考えなくていいと思う」


「そんなことないよ」


「怖くない?人が死ぬのは」


無表情で、感情が見えにくい主計。


でも、今はその瞳が迷いで曇っていることがよくわかる。


その質問の答えはない。


だって、そうだろう?


「‥‥‥主計は変なこと言うね」


「そんなことなんて、言ったつもりはない」


「変だよ。だって、人はいつか死ぬんだから」


それが遅いか早いか、その違い。


その人を生かしたいか殺したいか、それだけ。


人の命なんてものは皆、頑丈そうに見えて脆いものだ。


〈儚く〉なんていえば聞こえはいいが、実際は
〈呆気なく〉だ。


「そんな簡単に‥‥‥」


「だって、僕の両親は死んだんだもの。その時は怖いなんて思わなかったよ。ただ、悲しかったんだ」


「あ、‥‥‥すまない‥‥‥」


「いいよ、別に」


まぁあの時は、両親が死ぬなんて考えもしなかったから怖くなかっただけなんだけど。


僕は無力で、何も知らない子どもだったんだ。


「何が言いたいの?主計」


「…剣壱は、ここを抜けるつもりはないの」


「‥‥‥え?」
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