不法進入、許しません!!
こうやって言い争いをしながらの図書当番にも、いつの間にやら慣れてしまった。



ーーー人間の適応能力とは恐ろしい。



今現在も、ねぇねぇと私に絡んでくる先輩はきっと鋼のメンタルをお持ちなのでしょう。
この人、一体いつになったら黙るんだ。



「ねーねーみほりん。構ってよ〜〜つまんねーじゃん」



「あ、やっとみつけた〜〜!!もぉ〜放課後は一緒にカラオケ行こうって話してたじゃん」



ーー私はそんな声を同時に聞いた気がして、顔を上げた。




え、先輩とうとう同時にいくつもの言葉を発するようになりましたか。煩わしさマックスで尊敬の至りです。




……ん?でも、何か可笑しいです。



私以外に女子が三名。皆さん先輩を取り囲み、制服やら腕やらを引っ張っていらっしゃるではありませんか。
初めて見ました、リアルでこんな光景。


多分先輩と同学年の人達なんだろう。
私は見かけないお姉さん方の顔を、まじまじと観察する。




うおぅ、皆さんお化粧が濃ゆ……美人さんです。くるんくるんした髪がお揃いで……ん?
私、この方達をどこかで見たような。


私は自分の乏しい記憶を辿りながら、ふと思いついた。






---あ!!なんかの韓流アイドルだ!!!ほら、足のすらーっとしたあの……


もう一度、お姉さん達をチラ見しながら私は思う。



……みんな同じ顔に見えるんですが。





「え〜〜だめ。俺、今勤務中なの〜」



先輩のその一言に、私は開きかけであった本のページを、危うく破りそうになった。

< 5 / 7 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop