校庭に置いてきたポニーテールの頃
先ほど、宮西が「帰りもよろしく」と言っていた。状況が状況なだけに声を掛けにくかったけど、向こうから俺の方に来てくれた。


「大嶋、一緒に帰らない?唯の家がこのあたりだから、帰りは私一人なんだよね」


さすがにもう二人乗りをする気にはなれなくて、俺は自転車を押して歩いた。


「まさか真綾ちゃん達、お酒飲んでたなんてね。私、まだ心臓ドキドキしてる。絶対学校に通報されると思っていたから」

「酒はまずかったよな。俺もびっくりしたわ」

「酔っ払った真綾ちゃん、すごかったよね」


森真綾は顔を真っ赤にしながら、ろれつの回らない言葉で何か言い訳をしていたようだった。

店長に掴みかかろうとしていたように見えたから、俺とヒロでそれを止めたんだ。暴力なんて振るったら、それこそ学校に通報されてしまうから。

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