校庭に置いてきたポニーテールの頃
「真綾ちゃんのこと小学校から知ってるのに、あんなに鋭い目を見たのは初めてだった」

宮西はショックを受けているようだった。


「月曜日になったらあいつも普段通りに戻っているだろ」と言ったら、「そうだよね」って納得してくれた様子で宮西がこくこく頷いていた。


「ねえ、真綾ちゃんて委員長が好きなのかな」


まだこいつは森真綾の話をするのか。


「そうなんじゃないの?知らんけど」

「よかった。ちゃんとヒロのこと、吹っ切れたんだね」


……こいつまさか、まだヒロのこと好きなのか?

最近は落ち込む様子もなく元気そうに見えていたから、もう忘れることができたと思っていたのに。

< 268 / 345 >

この作品をシェア

pagetop