幕末を駆けた桜
『ンッ……⁉︎』
イキナリ伸びて来た手に口を押さえつけられ、建物の中に引きづり込まれる。
先へと進む沖田に助けを求めようと手を伸ばすも、振り返る事なく沖田の背中はだんだんと小さくなっていった。
……まずい、何だこの状況は。
思わず溜息を吐いて、建物の中を見ようと振り返った瞬間だった。
目の前に迫り来ていた刀を、間一髪のところで避ける。
……何なんだ一体!
ギロッと、部屋の中にある座敷に座っている男達を睨みつける。
人数は4人…。
その中の1人で、僕に斬りかかってきた奴には見覚えがあった。
『……何の真似か、説明してもらおうか?
坂本』
座敷から、先ほど吹っ飛ばした男の方を見てそう言うと、苦笑いを浮かべながら頭を掻いた坂本を睨みつける。
『堪忍してくれ。
懐かしいだろ? 今の方法』