幕末を駆けた桜
『……成る程。
お前、桂達とは頻繁に文をかわしているのか?』
どうやら、積極的な方向で僕の意見を受け取ったらしい土方に、嬉しくて思わず口角が上がる。
だって、そうだろ?
やっと、僕のしてきたことが実を結びそうなんだから。
『そういう訳ではないが、今桂達はこの町にいるだろう。
今日あったのは事実』
もしかしたら、僕がこの町に帰って勝てからずっと潜伏していたのかもしれない。
桂達は、近いうちに一度僕の気が持たなくなる事を予感していたのかも知れない、な。
『そうか。
なら、明日、総司とともに桂達との接触を試みろ』
『……御意』
逆らう事は許さないという表情の土方に、僕はいつもは浮かべないような笑みを浮かべながら頷いたのだった。