幕末を駆けた桜


『……その銃の金のことは後から聞くことにする。


取り敢えず、真白』


『なんだ』


わざわざ少し後ろにいた土方が僕の手なりに馬をつけたことに眉間にしわを寄せながらそう返すと、なんだよその顔は…と、バシッと頭を強く叩かれた。

そしてそのまま、頭に手を置いて退かす気配のない土方に、再度眉間にしわを寄せて首を少し傾げる。



そんな僕を見て、土方はうっすらと口角を上げ…

『お前がかけろ』


そう、一声いった。



なにを、なんて聞かなくてもわかる。
だけど、そんな重要なものを、僕がかけていいのか?


『何考えてんだ? お前以外適任はいねえよ』

『そうそう。ほら、ちゃっちゃとかけちゃってよ真白君』



どうやらこの話は、今回の戦の中心メンバーである3人の中でまとまっていたらしい。



……なら、遠慮なく。








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