私をドキドキさせたのは?
「それは…

一人で来たくなかったから」

「…はっ?」

「だって、孝。彼女と来ようと思って2名で予約してたし、クリスマスにホテルに一人で来るっていうのも嫌じゃん。だから」

「……」

「あと、直、彼女居なかったし。
ほら、彼女居たら色々ややこしいしさ。本当、直に彼女居なくて良かったよ。じゃなきゃここに来る事諦めてたかも」

「……」

「聞きたい事ってそれだけ? じゃあ、私、行くね」

「夜景…キレイだぞ。キラキラして…見ないのか?」

「夜景? 別に良いよ…わっ! ちょっと!!」

「見た方がいい…」

直は私を軽々とお姫様だっこすると、窓側に連れて行く。

「ほら、見ろって…」

「良いって言ってるでしょ! 早く降ろしてよ!!」

「良いのか? サンタが空を飛んでるかもよ…」

サンタ…。

「飛んでるの?」

「見たら分かる…」

「見なくて良い」

からかってるんでしょ?

「本当に見なくて良いんだな?」

「うん。だから早く降ろ…」

「なら、これからは俺だけを見ろ」









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