11時30分に解ける魔法
「あのご夫婦を見てて思ったの。
 この人たちにも此処まで来るまでに、いろいろあったんだろうなって。

 でも、ほら、夫婦喧嘩なら、犬も食わないって言うじゃない。
 いろいろあっても、なんとなくおさまるっていうか」

 自分の親を見ていてもそうだ。

 日常に飲まれるからか。
 結婚しているという安心感からか。

 派手な喧嘩をしていたはずなのに、気がついたら、いつも通り仲良くなっている。

「だから、とりあえず、添真と夫婦になってみようかなと思って」
と言うと、は? と言う。

「だから、あの泉には、それを祈っていたのよね。
 貴方に、プロポーズ出来ますようにって。

 でも、それって願うべきことじゃなかったわ。
 自分で行動すればいいだけだったんだもん」

 莉音は添真を見つめ、言ってみた。

「私と結婚してください、添真」
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