11時30分に解ける魔法
 今日は大晦日。

 幾らこの部屋の中を取り繕っても、除夜の鐘だけは、日本の何処に居ても鳴り響く。

「添真、おねえちゃんたちは何処?」

「隣りの部屋だっ」
と観念したように添真は言うより早く、ドアを跳ね開けた姉、千奈美(ちなみ)が現れた。

「なにやってんのよ、添真ーっ。
 これだけ協力してやったのにーっ」
と自身も添真と幼なじみである千奈美が遠慮なく、添真さまを怒鳴り散らす。

「俺はやるだけやったぞっ。
 こいつが断っただけじゃねえかっ」

「あんたがどっかでミスしたんでしょ。
 バレてたじゃないの、莉音にっ」

「いやいやいや。
 添真にご協力ありがとうなんだけど。

 そもそもミスしたのは、おねえちゃんなんだけど」
と言うと、はあっ? と今怒鳴った勢いのまま、千奈美が振り向く。
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