永遠なんてないこの世界で、きみと奇跡みたいな恋を。



バスで一之江駅までやってくると、私は迷わずに都営新宿線の『本八幡』行きに乗る。


「人が多いなぁ……」


電車に乗るのはこれで2回目。

あの時は少しだけ、なっちゃんとはぐれて大変だったんだよね。


誰に命令されたわけじゃないのに、みんなはただひたすらにどこかへと向かう。


これが日常で、みんなにとっては普通のことなのに、私にはどれもが新鮮に見えたっけ。


ーガタンッ、ゴトンッ


電車が揺れて、慌てて手すりに掴まる。


「やっぱり1人は心細いな……」


あの時なっちゃんがいてくれなかったら、もっとパニックを起こしてたんじゃないかな。



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