別れるための28日の蜜日
だから分別のある大人のフリしたって、心の奥では何にも納得出来てなくて諦めきれてなくて。

こんな大事なことに、何で今まで気づかなかったんだろ。気付けてたら、違う選択だって出来たのに。

でももう遅い。こんなに悔やんでるけど、時間は巻き戻せない。
後から後から後悔が襲ってきて私の涙は止まらない。

そのまま泣き疲れてウトウトしていたんだろう。目を覚まして時計を見たら11時になっていた。

ダイニングに行ってすっかり食べる気が失せたコンビニ弁当を捨てて、その隣に置いておいたフルーツ缶を見る。

こんなもの買わなければ指輪なんて見つけなかったのに、と恨めしく思う反面、見つけられて良かったのかも、とも思う。

自分の恋心の威力を知らないままに計画を終了させていたら、きっと私は後で死ぬほど苦しんでたろうから。
今から覚悟して苦しみを受け入れていけば耐性が出来るかもしれないし。

苦しみの耐性なんて、そんなものつかないほうが幸せになれそうだけど。
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