別れるための28日の蜜日
そしてそのまま腕をといてリビング向かうと、テーブルの上に置いてあるスマホに出た。

「はい。‥‥ええ、まぁ。え?でも、それは‥‥‥あぁもぅ、分かったよ」

不機嫌全開で会話していた律人がスマホを顔から離して、画面をタップした。
あれは、スピーカーボタン?

「もっしもーし!律人の彼女さーん、そこにいるんでしょ?律人ねー、昨日いきなりゴルフぶっちぎって帰った挙句、全然連絡よこさなかったんだよー。しかもこっちからの電話も出ないしー。
君、仕事ほっぽっていくぐらい愛されてるからねー。律人の事、幸せにしてやってよねー!頼んだよー」

スピーカーにしたスマホから大音量で流れてきた声は言いたい事だけ言って、ブツリと切れた。

突然の事にしばらく固まってしまう。

「え、あ、あのー、今の何?」

「従兄弟の悠人。イナガキの直系の跡取り」

「って事は次の社長、とか?」

「あー、まぁ多分。今は最近作ったグループ会社の社長やってるけど」
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