別れるための28日の蜜日
なんとか反論しようと口を開けたまま、律人の動きが止まる。

「ま、私って無計画な性格だからね。どこまで計画通りに進められるか分からないけど」

ホント、自分でも分からない。
何しろ人生を整理しようと意気込んだ、一か月の大計画も土壇場で真逆の結果なんだし。

でもやって良かった、って心底思う。

この計画をやらなきゃ、自分の気持ちも律人の気持ちもちゃんと分からなかった。縁談や海外赴任に不安がるばっかりで‥‥って、そうだ!

「あのさ、律人。海外赴任するの?」

まだこの話が解決してなかったんだ。

「海外?あー、海外ねぇ。そんな話が出た事もあったけど、今海外になんて行かせたら本当に結婚出来なくなるって祖父さんが反対して立ち消えになったんだよ。
あれ?でも、なんで百合が知ってるんだ?」

「あぁ、そう‥‥」

なんだ、ホントに話がなくなっただけだったんだ。

「でも百合と結婚したらまた話が出るかもだなぁ〜。そしたら百合、付いてきてくれるか?」
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