別れるための２８日の蜜日

「あぁ、なるほど」

しばらく自分の思考に沈んでから思い付く。

「どうやら山内さんは間違っているみたいだ」

「間違い、ですか？」

「ええ。僕と斉藤さんは気が合うんじゃなくて同族なんですよ。だから気が合う事はないとおもいますよ」

「同族嫌悪って事ですか？」

「ええ」

「ふふっ。でしたら納得です。斜めに構えちゃうとことか、他人との距離感とか私も似てると思ってますし。でも私は気が合うと思いますよ？気を遣わなくて楽ですし」

「無理でしょう。現に僕は斉藤さんとの会話が快適ではないですし」

「それはまた‥‥ハッキリ言うんですね」

「今更取り繕う必要はないでしょう。斉藤さんはもう、僕の会社での仮面も気付いてるんだし」

「まぁそうですね。じゃあ、町田さんが我慢して頂いてる間に私の計画についてお話してしまいましょうか」