摩天楼レボリューション
しかし大学では周りはほぼその「リア充」な子ばかりで、とても圧倒されてしまって挨拶をするのがやっとだった。


「いよちゃんは、ずっと東京暮らしなの?」


いきなりの名前呼びに内心ドキリとしつつも返答する。


「い、いえ。実家は愛媛で、この春進学の為に上京して来たんです」


『狭い世界に居たら、いつまで経っても自分を変えられないんじゃないだろうか?』という思いを抱いたというのもあるし、また、私は昔から文章を書くのが大好きで、将来それに携わる仕事がしたくて、色々調べた結果、今通っている大学は出版関係への就職に強いという事が分かり、進学先をそこに決めたのだ。

卒業生には作家になった人も数多くいて、その方が特別講師として招かれ、講義をしてくれるというのも選んだ理由の一つだ。

本音を言えば、私自身も小説家になりたいな~なんて思っている。
だけど、なろうと思ってなれる職業ではないし、ひとまずその夢は見つつ、それに近い場所に行けるように頑張ろうと誓ったのだ。

そんなこんなで、私としては清水の舞台から飛び降りる気持ちで、一大決心をして故郷を飛び出して来たのだけれど…。


「え?愛媛?」


すると黒須さんは主題とは関係のない部分に食い付いて来た。


「もしかして、それで『いよ』ちゃんなの?」

「え?あ、はい」

「そっか、ますます名前のキュートさが増したな!」
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