摩天楼レボリューション
「多分、『援交しようとした』って言いがかりをつけて君を脅して、今まで以上にこき使う予定だったんじゃないだろうか。事実かどうかなんてことは関係ない。そう言えば、君が萎縮して言いなりになるであろうことは充分予知できるし」

「……その可能性は高いと思います」

「それを分かっていながら言うことをきいてしまったの?」

「だ、だって、とにかく彼女達から早く解放されたかったし、それに、とりあえず今日さえ乗り切れればそれで良いかな、と思って…」

「まぁ、さっき言った通り、今回に関しては俺の名刺を印籠代わりに翳して『取材に応じていただけ』って言い張れば、彼女達もそれ以上は何もできないとは思うけど」

「そ、そうですよね」

「だけどそれはあくまでもその場しのぎの策でしかないよ」


黒須さんは手にしていたカトラリーをお皿の上にハの字にして置くと、私の目をじっと見据えながら言葉を繋いだ。


「今日はたまたま俺に声をかけたからそういう逃げ道が作れたけど、他の男だったらどうなっていたか分からない。もしかしたら最悪の事態になっていたかもしれないんだよ。そして、そんな下品でシャレにならない遊びを強要するような子達と付き合っていたら、これからも無駄な危険が付きまとう事になると思う。要求もどんどんエスカレートして行くだろうし」


あまりにも鋭い眼差しで諭され、私は思わず黙り込んだ。
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