摩天楼レボリューション
だって、すごくびっくりしたから。

おじいちゃんからいきなり「恋」だなんて言葉が飛び出したのもあるけど、その言い回しが。


「ビルが恋するって何?擬人化?」

「あ、いや…」


おじいちゃんはハッと我に返ったような表情になった後、続けた。


「正確には『そこで恋が芽生えた』ってことなんだがね。おじいちゃんは初めておばあさんと食事したそのレストランで、彼女に恋をしたから…」


心なしか頬が赤い。


「そして実はおばあさんもそうだったらしい。といっても、お互いにその事に気付いたのはだいぶ後になってからなんだけど」

「……ん?ちょっと待って?」


私はふいに浮上した疑問をぶつけた。


「まだお互いに恋心がなかった段階で食事に行ったの?ただ同じ会社で働いてるってだけの関係性なのに?」


夜景が素晴らしいと評判の、ムーディーな高級フレンチに?


「ええと…」


おじいちゃんはますます赤くなり、しばし言い淀んでから続けた。


「その時はまだおばあさんは学生で、隅谷書房の社員ではなかったよ。しかもその日が初対面で…」

「え。えぇ?なにそれー??」


説明されればされるほど迷宮に入り込んでしまうんだけど。

初対面で食事を供にするなんて、お見合いの時くらいしか思い浮かばないけど、二人は恋愛結婚な訳だし…。

そこで私は唐突に閃いた。
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