Snow Drop~天国への手紙~(上)【実話】
これから海へ行くというのに、わざわざシャワーを浴びる。

だって、寝汗でベトベトして気持ち悪いし。

最近腕を上げた派手なメイク。
気合いを入れて、マスカラを重ねた。

次に、髪の毛をセットする。

コテで栗色の髪の毛をクルクル巻いて、束ねてアップにした。

デニムのミニスカートに、真っ白なキャミソール。

足元は、白のビーチサンダルで決める予定。

“楽チンが1番!!”
あことエリのモットーだ。

プップー♪

家の外で、クラクションが2回鳴り響いた。

『お、来たかな?』

ガラ――!
勢い良く、部屋の窓を開ける。

いた!エリだ!!

『えぇーりぃー!!
おっはよー、今行くー☆』

バンッ!!!

さっきよりも、勢い良く窓を閉めた。

鞄に、水着を詰め込んで、急いで部屋を出る。
そして、階段を物凄いスピードで駆け降りた。

『行ってきまーす!!』
お母さんは仕事。
お姉ちゃんはバイト。

誰もいない、シーンと静まり返った家の玄関を勢い良く飛び出した。
< 6 / 376 >

この作品をシェア

pagetop