不思議の街の不思議な話
気持ち悪くて口元を抑えていると、ブランが慌てて私の肩を支えた。
「ごめん、慣れてないと酔うよね。ごめんね。」
「あはは、でももう大丈夫。」
ブランは私の一言でホッとした表情になった。回復した胃袋で、辺りの様子を観察すると、先ほどと随分違った景色になっている。遠くに見える時計台を見て、ここがどこだかやっとわかった。
「一番街の大広場...」
「正解。」
ブランが笑顔で答えた。私、この笑顔がすきなんだよなぁ...。