甘々なボスに、とろけそうです。


「君には、なんの気も使わなくて済むからかな」


どういう意味だ。


「ムッとしないでよ。君といると気楽なんだ」


だから、どういう意味だ。


「さて、問題です。僕はどうして、こんな話ばかりするでしょう」


「え?」


「僕は普段、品格を疑われるようなことは一切言わない」


「ほんとにぃ……?」


心の声が、口に出た。


「ほんとだよ。仕事に響きかねないからね。ところが君には、嫌がるのにこんな話ばかりしてしまうのは……どうしてでしょう」


わかるわけない。なぜ、私だけ扱いがちがうのですか。もっと、ソフトに接してはもらえないでしょうか。


「どうしてですか」


「考えてよ、ちょっとくらい」


「んー……そんなこと言われましても。まるで悪ガキじゃないですか。下ネタで女の子を困らせるなんて」


「正解」


(……!?)


「君の反応が可愛いから悪いんだよ」


「かっ……」


(可愛い……だぁ!?)


「こんなオジサンでもねぇ、君といると学生時代にタイムスリップして、同級生と話してるような気分になるんだ。もっとも、当時はこんなことを話せる相手なんていなかったけど。そして今もいない」


……新條さんは、オジサンじゃないです。


「僕が会うのはビジネス関係の人か一夜限りの女性で、腹を割って話せる相手ではない。だから今、楽しくてつい悪ノリしてる」

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