甘々なボスに、とろけそうです。
「ビルの関係者とは、面倒なのでは?」
誘う相手、間違えていますよ。
「んー、そうなんだけど。ちょっと味見したくなった」
「味見って……、遊び相手に私を選ぶのはやめて下さいっ」
「本気ならいいの?」
「そ……っ、そういう意味じゃ……」
「ごめんね、僕は女の子に本気にはならない。それでも勝率100%なんだ。狙った獲物は逃さない」
「だったら、私がその勝率下げてあげます」
「怖いねぇ」
全然怖がっていないじゃないですか。まるで新しいオモチャを見つけた子供みたいに目を輝かせていますが、気づいていないのですか……?
「つまりね、みこ」
呼び方が――〝君〟から〝みこ〟になっている。新條さんは、兄が私をみこと呼んだのを、聞き逃していなかったらしい。
「みこは、男を知らなさすぎるんだよ。それが男心をくすぐるわけ。耐性つけて、金髪くんに弄ばれるんじゃなくて、こっちが手玉にとってやりなよ」
「いや、別に私は弄ばれているわけじゃ……それに、手玉になんて……無理です」
「でもまぁ、男だから、15だから、優秀だからと一線引いてるのは、みこの方だよね。仲良くしたいという割に」
(!)
「金髪くんが一癖も二癖もありそうな子なのは、見た瞬間わかるよ。上手くやっていくのが一筋縄じゃいかないだろうなってことも。でも、みこがなにかしら仕事を与えられたってことは、それを任せた人間は、みこに期待してると思うんだよね」
(期待?……ボスが、私に?)
「みこって隙だらけのくせして案外流されないみたいだし、僕に反論するその勢いで、上手くやっていけば?」