甘々なボスに、とろけそうです。


――!??


「なにを考えているんですか!……お、降ります!」


「ホテルまでノンストップだからねぇー、これ」


(えぇえ!?)


ここのエレベーターは、〝〇〇専用〟みたいなのが多すぎやしませんか!?

困惑する私をよそに、容赦なくエレベーターが上っていく。


「新條さん、お、お仕事! 戻らなくて大丈夫なんですか?」


「平気だよ。今は……みこといる方が、ずっと大事だから」


そんな甘い台詞、耳元で囁くの、やめて下さいぃ!!


「そんな、私、まさかホテルに向かってるとは……微塵も……」


「ここまでついてきて、〝知らなかった〟……は、通用しないよ。もうみこは、子供じゃないんだから」


それはそうだ。この期に及んで、ホテルに向かっているなんて思いもしませんでした、なんて言うのは、大バカ者だと思う。でも……どうしてですか?

さっきだって、このあと、私に予定があることを気遣ってくれていたじゃないですか。なのに、こんなのって……あんまりです。


「……新條さんとは、仲良くなれる気がしたのに」


「は?」


「言ったじゃないですか。腹を割って話せる相手がいないって。だから私、なれたら嬉しいなって思ったのに……新條さんの、友達に」


「……みこ」


(!)


小さくてか細い声。怖いもの知らずという雰囲気だった男の見せる、寂しげな表情。


「それは……酷だよ」


「身体だけの関係なんて、私、やっぱり……考えられないです」



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