甘々なボスに、とろけそうです。


もしもーし。

新條さん……どうして、黙り込むんですか?


「……あの、どこに向かっているんですか?」


「2人でゆっくりできるとこだよ」


(よ、よかった! 話してくれた!!)


一安心しながら、新條さんの顔を、のぞき込む。


「ゆっくり……とは?」


「実は、僕も利用するのは初めてなんだよね」


「なにをですか」


「ここのホテル」


そういえば、ホテルまであるって、里香子さんが言っていたっけ。本当に、至れり尽くせりなビルだ。


「知り合いに女の子とホテルに泊まるところを見られるなんて、よろしくないでしょ?」


「ええ、まぁ」


新條さんの場合、不特定多数の女性を連れ込むわけですからね。そりゃ、コッソリが都合いいんでしょうね。


「でもまぁ、みことなら、いいかなって」


……ん?


「ふ、2人で?」


「そう」


新條さんが、乗り継いだエレベーターの扉が閉まると、私を見つめ――こう言った。


「朝まで、一緒にいようよ」

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