甘々なボスに、とろけそうです。


「ラスボスは、きっと管理人の田中さんなの」


「あはは。ラスボス感あるもんねあの人」


「会ったことあるの?」


「何度かね」


「なにも私みたいに忘れ物からスタートしなくても、たまたまランチや通院目的で来ていた人の人生が、ひょんなことから大きく変るパターンもあり得そうじゃない?」


「……いいかも」
ウィルくんが漫画を置いて、口に手を当ててなにやら考え始める。


「いいって?」


「ミーコ、書いてみたら」


「……書く?」


「主人公は、世間知らずで、鈍感で、救いようのない田舎娘に決定だね」悪戯っぽくいうウィルくんに「ねぇ、それ……私のこと?」とツッコミを入れる。


「完成したら、読ませてよ」


「読んでくれるの?」


「うん。ミーコは、それをたくさんの人に見てもらいたくないの?」


「えぇっ? たくさんの人に……?」


「面白いと思わない? ミーコの作った物語が、誰かの楽しみになったら」


「それは……」


「ボクは、プレイした女の子がボクの作ったゲームで笑って、ドキドキして、楽しんでくれたらいいなって思って作ってるよ。そうだな――テーマは〝恋するビル〟なんてどう?」


「恋するビル?」


「ボクはここで、ミーコに恋したもん」


「ウィルくんっ……」


「いつでも遊びに来てね。でなきゃ、この部屋また物置部屋みたいになっちゃう」というウィルくんに「私は整理整頓屋さんか!」と自分でも謎なツッコミを入れる。









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