甘々なボスに、とろけそうです。
――あなたは、ユバーバですか。
ものすごく、只者ではないオーラを放っているボスに、捕まった。
動物園で、猛獣のいる檻に閉じこめられたような気分。黒豹みたいな男が、隣にいる。
だけれど、いきなり人が変わっような優しい笑顔を向けられたものだから、戸惑う。
「あ……の……」
とりあえず、顔、近いです。
「会いたかったよ、ミコ」
そう言うと、ボスは、大きな手で――私の頬にそっと触れてくる。
……訂正。ここは、ホストクラブですか?
隣にいるのは、世の女子たちが虜になっている、夜の王者かなにかですか。
「なんだ。照れているのか」
透き通った――1度聞けば忘れないくらい素敵な声。
扉の向こうから聞いた低く冷たい声の主とは思えない、温かい声だ。
「照れるに……決まっているじゃないですか……」
初対面の人に、こんなに近付かれて。
でも……どうしてだろう。エレベーターで変態眼鏡に壁ドンされた時は、咄嗟に『逃げなきゃ!!』って、思ったのに。
この人は……ボスは、嫌じゃ……ない。