甘々なボスに、とろけそうです。
「そうそう、敬語とかやめてよね」
「……先輩ですもん。ウィルさん」
「怒ったの?」
「べっ……別に、怒ってないです」
サナエさんにつられて呼んでみているけれど、会社で先輩に対して、くん付けなんてあり得ないよね。
「ボク、ルーキーだよ。5月に大学卒業するまではアメリカに住んでたし、そんな先輩でもないんだ」
「だっ、大学? 15って言ってなかった?」
「飛び級って制度、知らない?」
それは聞いたことがある。でも、さすがにその年で卒業なんて、なかなか異例なことではなかろうか。
「先輩は、先輩ですから……」
「それじゃ、先輩命令。ミーコは、ボクにフレンドリーに接すること」
そんなに可愛い顔をして、ニッコリ微笑んでそう言われると、頭を縦に振らざるを得ない。
「……わかった。ウィルくんの、仕事って?」
「プログラム組んでる」
プログラム……? さっぱりわからないぞ。
「ねぇミーコ、手を繋いだことは?」
「……え?」
「もしかして、キスはないけどその先は経験ある?」
しれっとセクハラ発言してくる、マイペースな美少年よ。そろそろ私に仕事をさせてはもらえないだろうか。
といっても、プログラムなんてとてもできない。ならばやはり、まずは、ここの片付けをば。
「この辺にある書類は……ファイルする順番とかある?」
足元に散らばっているプリントを見て問う。もちろん、ウィルくんの質問には、全力でスルーだ。