男装した伯爵令嬢ですが、大公殿下にプロポーズされました
目が合うと、少女はパッと顔を輝かせて立ち上がり、私の目の前まで駆けてきた。
フリルのたくさんついたピンクのドレスのスカートを両手で摘み、可愛らしいお辞儀を見せてくれる。
「リリアーヌ・ド・モンテクレールです。十二歳です」と自己紹介されて、大公殿下の妹君だと知った後に、私は驚いた。
妹君が私の右腕に両腕を絡ませて、ピョンピョンと飛び跳ねるからだ。
「あなたがステファンね? アミルお兄様の言う通り、女の子みたいで可愛いわ!」
私は男としてこの城に来ている。
子供と言えど、大公殿下の妹君にこのように親しげに触られては、どのような反応をしていいのか分からず戸惑うばかり。
私達の様子を笑いながら見ていた殿下は、妹君が両手を広げて私に抱きついたところで、やっと止めてくれた。
「リリィ、その辺でやめておけ。
ステファンはいずれフォーレル伯爵と呼ばれる男だ。はしゃいでまとわりついてはいけない」
「あら、お兄様だって同じじゃない。
ステファンが来てから、ご機嫌ではしゃいでるって、クロードが言ってたわ」
「なに、クロードが?
あいつめ……帰って来たら説教してやる」