男装した伯爵令嬢ですが、大公殿下にプロポーズされました

目が合うと、少女はパッと顔を輝かせて立ち上がり、私の目の前まで駆けてきた。

フリルのたくさんついたピンクのドレスのスカートを両手で摘み、可愛らしいお辞儀を見せてくれる。


「リリアーヌ・ド・モンテクレールです。十二歳です」と自己紹介されて、大公殿下の妹君だと知った後に、私は驚いた。

妹君が私の右腕に両腕を絡ませて、ピョンピョンと飛び跳ねるからだ。


「あなたがステファンね? アミルお兄様の言う通り、女の子みたいで可愛いわ!」


私は男としてこの城に来ている。

子供と言えど、大公殿下の妹君にこのように親しげに触られては、どのような反応をしていいのか分からず戸惑うばかり。

私達の様子を笑いながら見ていた殿下は、妹君が両手を広げて私に抱きついたところで、やっと止めてくれた。


「リリィ、その辺でやめておけ。
ステファンはいずれフォーレル伯爵と呼ばれる男だ。はしゃいでまとわりついてはいけない」


「あら、お兄様だって同じじゃない。
ステファンが来てから、ご機嫌ではしゃいでるって、クロードが言ってたわ」


「なに、クロードが?
あいつめ……帰って来たら説教してやる」


< 102 / 355 >

この作品をシェア

pagetop