男装した伯爵令嬢ですが、大公殿下にプロポーズされました
教会の鐘の音が聞こえると、開会式が始まる。
整列した私たち出場者の前に立つのは、青の騎士団を統べるクレマン団長。
クレマン団長の姿を見るのは、私は初めてだった。
年の頃は四十くらいだろうか。
短い黒髪と大きな鼻が特徴的。
中背で細身の体型をしていて、一見して強そう
には見えないが……能ある鷹は爪を隠すというし、エリート剣士の集団のトップに立つ方なのだから、桁違いに強いことは間違いないだろう。
いつかクレマン団長とも、剣を交えてみたい……そう思って、整列している大柄な男性たちの間から、覗くように前を見ていた。
ルール説明と激励の言葉を聞いた後は、試合が始まる。
出場者には申し込み順に番号が与えられて、私は七番。
試合は一回戦から決勝まで、全て一対一のトーナメント形式だ。
一回戦は流れ作業のように進み、私の番もすぐにやってきた。
初戦の相手は九十八番の男。
私より拳三つ分も背が高く、ひょろりと手足が長い。
年齢は二十歳くらいか。
木刀を構えて向かい合ったときに、彼はニヤついていて、小柄な私を見下し、これなら楽勝だと思っているのが見て取れた。
悔しくなった私は、唇を噛み締め心に呟く。
バカにしていられるのは今のうちだけ。
剣術は、体格差じゃないってことを見せてあげるから……。