男装した伯爵令嬢ですが、大公殿下にプロポーズされました
そうすると、次の対戦相手が気になった。
隣の正方形のラインの内側では、たった今、準決勝ふた組目の試合が終わったところ。
勝者を見て、私は少し驚いた。
私とさほど歳が変わらないだろうと思われる、若い少年だったから。
体格も華奢で、私より拳ひとつ分、背が高い程度だ。
自分の試合に集中していたため、相手の戦い方を見ていなかったが、私の戦い方と似ているのではないだろうか?
小柄な私たちが体格のよい相手に勝つには、スピードと多種の技と作戦で勝負するしかないのだから。
やりにくい相手だと思いつつ、少年の動きを目で追っていたら、駆け出した彼がある人物に抱きついたから驚いた。
その人がクレマン団長だったからだ。
あれ、このふたりって、もしかして……。
親しげに会話をするクレマン団長と少年を遠くから見つめて、考え込んでいたら、突然誰かが私の横に腰を下ろした。
それはジェフロアさんで、決勝まで勝ち進んだことを褒めてくれてから、蜂蜜のたっぷり入った甘い紅茶も差し入れてくれた。
疲労回復には甘い物が一番。
ありがたく一気に紅茶を飲み干した私に、ジェフロアさんは決勝相手について教えてくれた。