男装した伯爵令嬢ですが、大公殿下にプロポーズされました
女であることを隠すため、布帯でぐるぐる巻きにして、ギュウギュウに締め付けているはずなのに、どうして……。
振り上げた剣は、かわされた後に払い落され、私は飛び退いて距離を開けた。
「もう終わりか? もっと攻めてこいよ」と、殿下は口の端を上げて私を誘う。
私も攻めたいけれど、これをどうすればいいのか……。
激しい動きのせいで、布帯が緩んで胸を外れ、今はお腹の辺りに下がっていた。
薄い布地の服の下は、裸の胸。
去年辺りから急に大きさを増して、動くたびに揺れて目立つこの胸を、どうするべきか。
動きやすいようにと選んだこの服は、スッポリと頭から被るタイプで襟ぐりが広く、上から覗き込めてしまえそうでもある。
左腕で胸を押さえ、右手の剣を殿下に向ける。
胸のバラは既に散っているのだから、隠しても意味がないだろうと言いたげに、殿下が片眉を吊り上げた。
一太刀、浴びせたいという気持ちは完全に消え失せる。