男装した伯爵令嬢ですが、大公殿下にプロポーズされました



この路地はどこへ繋がっているのだろう……。


子供と入れ違いに、私は路地に足を踏み入れる。冒険心がくすぐられていた。

人が体を斜めにしてすれ違うほどの幅しかなく、日差しが入り込めずに薄暗い。

地面は湿り気があってカビ臭く、お世辞にも気持ちがいいとは言えない道であった。

家々の隙間を縫うように、クネクネと続くこの路地は、一体なんの目的で作られた道なのか……。


しばらく進むと、突然ぽっかりと明るい空き地のような場所に出た。

前も横も薄汚れた民家の塗り壁に囲われて、行き止まり、先に進めない。

空き地の広さは馬車二台分ほどで、壁にボロ板が立てかけられていたり、雑草だらけの地面には割れたワイン瓶やレンガ、片方だけのブーツ、底の抜けた木桶などのゴミが転がっていた。

ゴミ捨て場なのかと思いつつ、なんの気なく割れたワイン瓶を蹴飛ばしカチャンと音を立てたら、ドアが軋んで開く音が後ろに聞こえ、驚いて振り向いた。

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