男装した伯爵令嬢ですが、大公殿下にプロポーズされました

急に現れたふたりの騎士に、悪党たちはうろたえる。


「ボス、逃げましょう!」

「バ、バカ野郎、怖気づくんじゃねぇよ」

「城の兵には敵いませんて!」

「大丈夫だ。数はこっちが上。大方、見回り中に偶然見つけたってとこだろ。ここでこいつらをやっちまえば、なにも問題ねぇ」


男が言った『見回り中の偶然』というのは、当たっているのだろうか?と考える暇もなく、戦闘が始まった。

騎士たちは私を背にして守りつつ、ひとりでふたりを相手にしている。

青の騎士は選りすぐりのエリート騎士団で、やっぱり強い……と思ったら、こんな状況なのに、私は嬉しくなっていた。

そして守られるばかりじゃなく、私だって戦えるのに!という気持ちにもなる。


悪党たちの動きをよく見極めて、騎士の陰から飛び出すと、私は下っ端のひとりの肩を火かき棒で強く突いた。

「グアッ!」と呻き声が上がり男がよろけると、すかさず青の騎士がとどめの一撃をお見舞いして、男は地面に転がった。

他のふたりの下っ端も、もうひとりの騎士に倒され、泡を吹いて気絶している。

弱い奴からあっという間に片付けて、残すは親玉ひとり……。


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