目を閉じてください


「もちろん、明日からでも大丈夫です!!」


にっこりと微笑む奥様が、


「ひとまず今日は見学なさってください。後で見学担当の叶多(カナタ)くんが来ますから。明日またご連絡差し上げます。早ければ明後日からということになります」


「よろしくお願い致しまする!!」


いろいろ緊張しすぎた。
あっ、と耳まで赤くなる。


「お疲れさま」


「お忙しい中お時間頂き、有り難うございました!!」


湯気が立ちそうなほどがちがちになり、左右の手足が揃うのも構えないまま部屋を後にした。ペ○パーくんでももっと滑らかだろう。


本当に、大丈夫なんだろうか。


そして診察室は。
ふと我に返って周りを見渡す。
診察室はどこにある。


間抜けすぎるが。本当にわからない。


「新入りさん??」


背後から声を掛けられ振り向いたけれど。



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