不審メールが繋げた想い

各務さんはもしかして、マネージャーになる前は、芸能活動をしていたのでは無いかと思った。モデル、俳優と言ってもいいくらいの容姿だから。だったら何故マネージャーになったのかな。
思うように売れなくて、とか、かな。諦めてしまったのだろうか。素敵だから、今なら渋い俳優さんでとか、ミドルエイジのモデルとか、できそうなのに。
私がそう感じても、物事、そんな単純なモノでは無いのだろうけど。
ただ綺麗なだけとか、スタイルがいいだけとか、売れる為にはそれだけでは駄目なんだろうけど…。
何かが無いと駄目なんだろうな…。それが何かは人それぞれなんだろうけど。…はぁ、難しいな〜。誰しも、売れると思ってデビューさせる訳だろうし。お金だって、桁違いの仕事…。
いや〜、本当、つくづく別世界の話だ…。


ある程度寝て、いつもの時間にまた起きた。
真さんにメールを。
各務さんにはどこまで聞いているんだろうか…。

【お母さんの具合は如何でしょうか。土日、お世話になりました。何もお役に立てずすみませんでした。私は無事、帰宅しました】

…もう少し時間が経ってから送る事にしよう。
もしまだ休んでいるなら、各務さんのように迷惑を掛けてしまうだろうから。
不規則は不規則なんだろうな。今、寝てるとも、起きてるとも…実際解らない。撮影、してるかも知れないし。

会社に行く時間にメールは送信した。

時間が経っても返信は無かった。…こんなものだろう。すぐ返せるとは限らないって言ってたし。元々メールは好まない。そういう人だ。

私の伝えたい事は伝えたし。
生活パターンも何もかも違う世界の人だし。
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