赤い糸~切れた糸の続き~

時間だけが過ぎていくー

あの日から今日で1週間ー

今日は待ちに待ったアレクとの久しぶりの対面だ。

仕事を早く終わらせて、定時で会社を出た。

気持ちが上がり、足は軽やかになり、スキップしそうになってる。

そんな気持ちで歩いてるとあっという間にバイク屋へー

「おっちゃーん」と声をかけると、

「おう、いらっしゃい。待ってたよ。アレク、早くキミの元に帰りたかったみたいでねー」なんて相変わらずノリのいいおっちゃん。

いよいよ対面だ。

ヤバイ、メッチャ緊張してきた…。

まず深呼吸、そして…一歩ずつ、ゆっくりアレクに近づいた。

うっ、光ってる?!眩しい…。

久しぶりに逢うアレクは今まで以上にカッコいくなっていた。

初めてだから、そんなに派手にはいじってない。

嬉しさやら、感動やらでよくわからない涙が頬を伝った。

そんな私の頭を優しくポンポンしてくれるおっちゃん。

「ありがとう、おっちゃん」私は何度もそう言った。

アレクに触れてみる。

アレクは嬉しそうに触られてる気がした。

私は泣き笑いしながら優しくアレクを撫でる。

おかえりと声をかけながら。

そんな様子をおっちゃんは温かく見守ってくれた。

私はしばらくして、アレクにまたがった。1週間ぶりに。

そしてアレクとともに家に帰った。

ただいまーとアレクをガレージに置いて家の中に入る。

おかえりーと迎えてくれたのは、聖と何故か健斗君?!

なっ、何でいるのよー?

私は思わず固まった。

そんな私を見て二人はクスッと笑った。

そして、「じゃ、俺帰ります」と言って健斗君は帰っていった。

何?と聞いたけど、聖は答えてくれなかった。

それから2、3日に1回は健斗君はウチに遊びに来るようになった。

特に私に何も言うわけではないので、私も返事を返すことはしなかった。
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