赤い糸~切れた糸の続き~
聖にとったら大事なのはキスしたかどうかじゃない。

何故振ったのか、が問題なのだ。

彼の気持ちを聞いて嬉しかった。けど、素直に答えてあげられなかった。

聖はそんな私の想いにもしっかり気づいてる。

でも、いくつか納得いってないみたい。

正直、おせっかいなのよね。少し、いい意味で。

自分は恋愛なんて興味ないくせに。

私の恋愛には必ずと言っていいほど口を出してくる。

だから少し嫌味を言ってみた。

「人の恋愛口出す前に自分こそ恋愛の1つや2つしたらどうなの?」って。

そしたら半泣きな顔して、上目遣いでこんなことを言ってくる。

「…姉ちゃんが悪いの!俺姉ちゃん好きだもん!他の子はつまんない」

って。嘘でしょ?!

もう、この子は、可愛いこと言ってくれるんだから!

けど、いつまでもそんなこと言ってるわけにはいかないわよね?

結婚したら嫁ぐわけだし、男の子だから、聖は残ることになるんだろうし。

一生独身で生きるつもりかしら?

それはそれで困るわね。

「…いつまでも子どもみたいなこといってんじゃないわよ」

独り言のつもりだった。

けど、聖は半泣き。くそっ!

コイツ絶対わざとやってやがる‼

私が聖の涙に弱いの知ってて。

「…ごめん、言い過ぎた」って結局は私がこういって終わってしまうのよね。

「姉ちゃんが幸せなら俺も幸せだもん!」

だってさ。

嘘でしょ?!絶対そんなキャラじゃない。

けど、平和な高校生してられるのは半分私のおかげなのよね。

手のつけられない不良だったからね、私。

ほんとに、このウソ泣きには勝てないわ。

まあ、いい。ここは私が折れてあげないと…って、ちがーう!

聖は私の本との気持ちに気づいてるのね。

私が認めたくないだけで。

それに、健斗くんだってふざけてるわけじゃないわ。

私もそろそろ本気で考えるべきなのかもしれないわね。


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