赤い糸~切れた糸の続き~
夕方ー
今日はまだ明るいうちに帰れそうだ。
私は早々に仕事を終えて、定時で会社を出た。
そして、ゆっくり歩きながら、バイク屋に向かう。
アレクの様子を見に、毎日寄るのが今では日課になっている。
バイク屋のおっちゃんとは小さい頃からの顔馴染みで、よく、『早く大きなって、この子乗ったってや。何年もずっとキミの元に行くの望んでんやで』と言ってくれてたのがこの、ウチのアレク。
しばらくおっちゃんとアレクの話とお父さんの話で盛り上がって私は気持ち良く家に帰ろうとした。
ふと、公園の方から、嫌な音が聞こえた。
私の足は自然とそっちに向かっていっていた。
私はその光景に一瞬怯んだ。
私の母校の名津高校の男子高校生数人が、よってたかって一人の生徒をボコボコにしていた。
まさにそれはリンチ…。
その男の子の様子を見るため、近づくと、私は更に硬直した。
だってそれは…あまりにも、咲斗さんに似すぎていたから。
私はいてもたってもいられず声をかけてしまった。
「名津高よね?あんた達…確かにウチの学校の風習として、本物の不良はニセの不良を潰すってことは当たり前のように行われてきたけど…これはやり過ぎよ?この子、もう少しでヤバかったと思うんだけど…」と私はリンチってるやつに言った。
「あぁ?あんた、誰だよ?!」と興奮して一人は言ってくるが、
「おい、やめとけ。その人ウチの伝説の47代目番長、生田羅菜さんだぜ!」ともう一人は言う。
そうすると、血の気が引いたように、顔色を変えて頭を下げると男達は去っていった。
私は何もしてないのよ?ただ、名津高校時代メッチャやんちゃして暴れてたくらいで。
未だに名が通るとは…驚きだわ。
「大丈夫?」と私は笑かけて、手を差し出す。
彼は呆然としていて、私の手を掴み損ねている。
こんなひどい傷じゃ帰れないわよね?
そうだわ、ウチに連れて帰って手当てしてあげよ。
私はそう思って彼を抱き上げるように立たせると、
「ウチに来なさい。手当てするから」そう言うと、なかば強引に彼をウチに連れて帰った。
今日はまだ明るいうちに帰れそうだ。
私は早々に仕事を終えて、定時で会社を出た。
そして、ゆっくり歩きながら、バイク屋に向かう。
アレクの様子を見に、毎日寄るのが今では日課になっている。
バイク屋のおっちゃんとは小さい頃からの顔馴染みで、よく、『早く大きなって、この子乗ったってや。何年もずっとキミの元に行くの望んでんやで』と言ってくれてたのがこの、ウチのアレク。
しばらくおっちゃんとアレクの話とお父さんの話で盛り上がって私は気持ち良く家に帰ろうとした。
ふと、公園の方から、嫌な音が聞こえた。
私の足は自然とそっちに向かっていっていた。
私はその光景に一瞬怯んだ。
私の母校の名津高校の男子高校生数人が、よってたかって一人の生徒をボコボコにしていた。
まさにそれはリンチ…。
その男の子の様子を見るため、近づくと、私は更に硬直した。
だってそれは…あまりにも、咲斗さんに似すぎていたから。
私はいてもたってもいられず声をかけてしまった。
「名津高よね?あんた達…確かにウチの学校の風習として、本物の不良はニセの不良を潰すってことは当たり前のように行われてきたけど…これはやり過ぎよ?この子、もう少しでヤバかったと思うんだけど…」と私はリンチってるやつに言った。
「あぁ?あんた、誰だよ?!」と興奮して一人は言ってくるが、
「おい、やめとけ。その人ウチの伝説の47代目番長、生田羅菜さんだぜ!」ともう一人は言う。
そうすると、血の気が引いたように、顔色を変えて頭を下げると男達は去っていった。
私は何もしてないのよ?ただ、名津高校時代メッチャやんちゃして暴れてたくらいで。
未だに名が通るとは…驚きだわ。
「大丈夫?」と私は笑かけて、手を差し出す。
彼は呆然としていて、私の手を掴み損ねている。
こんなひどい傷じゃ帰れないわよね?
そうだわ、ウチに連れて帰って手当てしてあげよ。
私はそう思って彼を抱き上げるように立たせると、
「ウチに来なさい。手当てするから」そう言うと、なかば強引に彼をウチに連れて帰った。