赤い糸~切れた糸の続き~
手当てを終えると、ありがとうございましたと彼は笑った。

笑顔までほんとに彼そっくり…そう思ってしばらく顔を見ていると、顔を赤くして目をそらす彼は何だか可愛い。

「せっかくだし、ご飯食べていきなさい」とお母さんが言う。

ナイスだわ‼お母さん!そうしましょ。

私はそう言って、少し鋭く断らせないように見た。

納得したのか、ビビったのか、彼は

「でわ、お言葉に甘えて…」と言った。

そこら辺で、聖がかなりオーバーなリアクション。

「あー!なあ、お前、速水健斗だよな?」と。

彼は目をパチクリさせながら頷いた。

「てことは…もしかしてまたあいつら?お前、エセだもんな!」と聖は言って勝手に納得してくれてる。

「…何?どーゆうこと?説明して」と私が言うと、

「ねえーちゃんなら、わかるだろ?あの伝説の47代目番長なんだから。あの学校の風習。で、明らかにエセなのも。だからコイツはターゲットにされてるんだよ」と聖は言った。

なるほど。私はそんだけで充分理解した。

「俺の同級生」と聖が言う。

あー、なるほどね。そーゆうこと。

聖と同じなのか…。

「あら、なら、またウチに遊びにいらっしゃい!」なんてお母さん、

何言ってるのよ?同級生としか言ってないわよ?友達だとは!

けど…嬉しそうに顔を少し赤らめてはい。なんて言うものだから、言葉が出なくなってしまったわ。

ご飯を食べ終えると、「ねえーちゃん、俺、この人送ってくる」って二人で出ていった。

私はため息を吐いた。

「似てたわね。だからほっとけなかったんでしょ?」とお母さんは言った。

気づいてたのね。
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