赤い糸~切れた糸の続き~
翌朝ー

私は準備して家を出た。

聖も何故か一緒に。他愛なく会話してすぐに分かれた私たち、振り向くと、そこには彼と一緒に向かう聖が見えた。

そんなにすぐに仲良くなれるものなの?

不思議だわ。

私は不思議な気持ちで会社に向かった。

会社ー

「おはよー。って、なんかあった?」と声をかけてくれるのは福本さん。

「あっ、えっ?わかります?ってあっ、おはよーございます」と私はテンパりながら早口で挨拶した。

「後で話聞くよ」と私の耳元近くで囁くと、笑顔で席に戻って行った。

私も席についた。

あんな、偶然あるんだ…。

今まで止まっていたはずの時間が再び動き出したような気がした。

今日もパソコンと向き合い仕事をこなしていく。

昼休みー

いつものように、食堂で福本さんと向かい合って食事をしながら、昨日の話をした。

「へぇ、そんなことってあるんやねー」となんか楽しそうに他人事。

「まあ、なんかあったら相談乗るし、いつでも言いなさい」と言ってくれた。

それだけでスゴく心強かった。

そのあとは少し楽になって、仕事をこなしていく。

ふと、時計を見ると、6時前になっていた。

どうやら、今日も残業コースかしら…。

私は必死に仕事をする。終りそうだったのに…!

「生田さん、これ、頼めないかしら?」と言ってきたのは、先輩の女性。

「あっ、はい‼わかりました」私はそう言って、その人の仕事を引き受けた。

用事あるからなんて言われたら断れないじゃない。

どうせ、合コンか、デートなんだろうけど。

まあ、私は予定なんて無いから良いけどね。

私はそんなことを思ってるのが顔にでないように仕事に励んだ。
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