赤い糸~切れた糸の続き~
ふぅ、やっと終わったぁ~

時計を見ると、8時を回っていた。

やだな。こんな時間に歩いて帰るの…。私は重い気持ちになりながら、席を立った。

外は真っ暗。もちろん、この建物も人気がなく、暗い。

早く帰りたいよぉ~

私は早歩きで会社を出た。

そこには何故か、福本さんさんがいた。

てっきり帰ったと思ってた。

「おっ、終わったのか?お疲れ様。送っていこうか?」そう言いながら、福本さんは自転車を押している。

お言葉に甘えて送ってもらうことにした。

下らないことを言い合って…

福本さんって、ほんとにいい人で。優しくて…

結局、家まで送ってくれた。

「ありがとうございました、また明日」と私は言って家に入った。

ただいまーとドアを開けると、聖が迎えてくれる。

私はさっさと手を洗い、ダイニングについた。

いっただきまーすと言ってご飯を食べ始めた。

お母さんとお父さんと聖は笑っている。

何?と聞けば、別にぃ?というお母さん。

「すごいいい食いっぷりだな」とお父さんは言って自分のご飯を食べ始めた。

私は昔から、でかくてよく食べてきた。改めて言われると、少し恥ずかしい。

けど…ちまちまは食べてられない。

『女の子でしょ!』とか言われたらそれまでだけど、そんなことじゃない。

どちらかと言うと、男まさりだった自覚はある。
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